卒業設計のこと

こんにちは。前田です。
他の参加者の方の商業施設調査のレポートをみて、ちょっと焦ってます。そういえば抜けてた!ってところを足そうと思いつつ、今回はお休みして少し卒業設計のことを書こうと思います


「Terrarchitecture -カンボジア・アンコール遺跡群保存修復センター」

去年取り組んだ私の卒業設計で、私にとって本当に大切な作品です。これを通して、自分の興味のあるところや建築の好みが結構変化した気がします。
B4のはじめは、卒業設計では自分が通っていた日本人学校をやろうと思ってました。でもその後いろんな話がありつつ、様々な国の人が使う遺跡など世界遺産の修復施設を、ってところで落ち着きました。アンコール遺跡が出てきたのはその後です。現状の問題を考えるとここが対象として一番良かったんです。

今アンコール遺跡群には9カ国12チームの修復隊が入っています。そのうち3チームは日本です。

ざっくり言うと、今バラバラにある各チームのオフィスを統合すべきなのでは?という提案です。最終的にはカンボジアへの技術移転が目標となっているのに、それぞれがバラバラでやっているのはおかしいだろうと。

現地で働いている人、向こうにいた経験があるは人は「技術のオリンピックみたいなもの。様々なやり方があってそれでいい。」と言っていたのですが、”オリンピック”って表現には本当に引っかかりました。統合の話に対しては「メッリットがない」と言われたりもしました。実際、お金の問題など現実的でない面は多くありますが。

デザインとしてはアンコール遺跡の為の建物としてどういうデザインがふさわしいのか→アンコール遺跡のデザインをどう今に翻訳するかって所をずっと考えていました。
今ある博物館やホテルは、テーマパークみたいな建物です。カンボジアの気候とかそういうのも全然考慮していない、表面的な伝統建築のデザイン(主に屋根型)の模倣がほとんどです。それに対する対抗案として考えました。

でもこれがなかなかできなくで、ずーっと先生に「違うだろ」といわれていました。今までの設計課題では考えたことのない空間のイメージを自分の中でなかなか作れなかったんです。

名大は前期に卒計・卒論を同時並行、後期は基本卒論、卒論発表が終わった後の一ヶ月で缶詰状態で卒計、というスケジュールです。これに私の研究室は院試後9月に少し卒計をやるのですが、9月の最後の最後でやっとデザインコンセプトが決まりました。

もうラスト一ヶ月にスタディからはじめて、あっという間にすぎました。自分の作品のように手伝ってくれる後輩や友達と、相談に乗ってくれる先輩、アドバイスをくれる先生、本当に感謝してます。

この作品を通して、自己紹介のときにも書いたように、自分の中にあった漠然とした海外への興味と、建築が繋がったって言うのはすごく大きかったです。あと今までの自分ではイメージできなかった空間をイメージできたこと。そして、その土地ごとの建築のあり方とか、建築のリージョナリズムに興味を持つようになりました。





自分が建築に対して思っていること、ある空間に対して考えたこと、に対して自信が持てずうまく話せないことが多いので、このブログを通して慣れていきたいと思います(今回の内容は少し違いますが)

今のところ、商業施設調査に少し足すのと、あと名大建築の紹介なんかもできればと考えています。中国上陸までの目標です。